特色入試

書くことで自分を知る、その経験が 大学生活の心強い灯りになりました

工業化学科(現 理工化学科) 平成31年度 入学 
徳田駿(とくだ・しゅん)さん
石川県出身
石川県立金沢泉丘高校卒業

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「まだ名前も付いていないような新しい化学の領域を立ち上げたい、それが生涯の目標です」

化学との出会い

小学生の時に元素の周期表を紹介するテレビ番組を見て、化学の力で世界を表現できることに衝撃を受け、将来は化学者になると決めました。京都大学の工学部を受験した理由も、化学系研究室の多様性と数が他大学を圧倒していたから。「化学をやりたい、でもどの分野で?」というところまで絞り切れていなかった自分にとって、入学後に幅広い選択肢が広がっている工業化学科(現 理工化学科) は理想の学科。各分野のエキスパートがいる環境に、今も大正解だったと確信しています。

初めて耳にした特色入試

当初は一般入試を受けて、もしダメだった時はまた来年、という京大一本の受験プランだったので、担任の先生に特色入試を薦められた時は合格率を上げられるいいチャンスだと思いました。当時は何か特別な受賞歴があるわけではなく、自宅で興味のある化学実験に取り組んだり、科学の甲子園の出場経歴があるくらいでしたが、化学に対する関心は誰にも負けない自負がありました。その気持ちをどう文章に落とし込んでいくかに頭を使いました。

「学びの設計書」「学びの報告書」

特色入試の一番の魅力は、「学びの設計書」「学びの報告書」執筆のために自分の趣味や関心を持っていることの魅力、そして「いつから、どうして、それに夢中なのか」を明文化することで「自分を知る」作業を経験できるところだと思います。特に化学は人の生活と密接な関係があるので、それを職業とする以上、自分の関心が社会でどういう位置にあるかを考えなければならない時が必ず来る。それを経験できるだけで自分にとって十分得るものがあると思いました。

大学生活で迷った時の灯りに

大学に入ると、すごく個性的だったり、自分よりも遥かに優秀な同世代と大勢出会います。そうすると自分の個性ってなんだろう?と考えてしまう時もあると思います。でもそこで、一度「自分を知る」作業を経験していれば、自分はどこに注力すればいいかが灯りのように見えてくる。自分の場合、合格後、入学までの期間を大学のテキストを勉強する時間に当てましたが、それもやっぱり化学が好きだから。そういう気持ちが積み重なって本当の自分の“特色”になっていくのかなと感じています。

 

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「人よりちょっと化学が好き」な私にも チャンスをくれた特色入試でした

工業化学科(現 理工化学科) 平成31年度 入学 
保田悠花(やすだ・ゆうか)さん
大阪府出身
帝塚山高校卒業

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「研究室では有機ELをより良い色・良い効率で光らせるための研究に取り組んでいます」

化学との出会い

高校の課外活動で教科書に載っていないような化学の実験に触れる機会があり、そこで化学の面白さに目覚め、大阪から通いやすい京大を目指すことに。理学部の化学科か、工学部の工業化学科(現 理工化学科 以下省略) かで迷いましたが、ホームページを見ると工業化学科で学べる分野の幅広さが自分に合っているように思えて、こちらを受験することにしました。今思うと、身の回りのものにわかりやすく還元されている化学の世界に惹かれたのだと思います。

初めて耳にした特色入試

高3の夏に学校から特色入試を薦められて、初めてその存在を知りました。私の印象では特色入試は「本当に特別な成績の人たちが受けるもの」。「学びの報告書」に「顕著な活動歴」を書く時も「私がやってきた課外活動やちょっとしたポスター発表、科学の甲子園に参加程度のことは“顕著”とは言えないのでは?」と不安に感じたこともありましたが、先生たちから「実際にやってきた実績なのだから遠慮せずに書いてみては?」と言っていただいて気持ちが楽になりました。

本番までの受験プラン

工業化学科の特色入試は論文や面接もなかったので、まずは学校側に用意していただく書類作りをお願いして、自分は提出期限の2、3週間前ぐらい前から「学びの設計書」「学びの報告書」作りに取りかかりました。センター試験を受け、前期試験の2週間前に合格通知を受けとった時は正直、実感がわかなくて。「あんなに受験勉強を頑張ったのだから!」という思いもあり、発表された前期試験を家で解いて、やっと自分の気持ちに区切りをつけることができました。

特色入試のここがGOOD!

まず純粋に、受験のチャンスが一般入試の他にもう1回増えることが心の余裕につながりました。「学びの設計書」に「なぜ自分は化学を学びたいのか」という動機を書くことで漠然としていた気持ちが文章化されて、受験自体の大きなモチベーションになったと思います。私が実感した特色入試は「本当に特別な人だけが受けるもの」ではなく、人よりちょっと化学に興味があって、何か少しでもやっていればチャンスをもたらしてくれるもの。「やってみようか」くらいの気持ちでトライしてみてください!

 

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