上野 航輝(うえの こうき)さん/大阪府出身

京都大学工学部工業化学科(2013年度卒業)
京都大学大学院工学研究科 修士課程(2015年度修了)
在学時の所属研究室:物質エネルギー化学専攻 触媒機能化学分野(阿部研究室)
現在:パナソニック株式会社 テクノロジーイノベーション本部

研究に情熱を持ち続け
新しい材料の開発に挑む

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どうして京大工業化学科へ?

高校の頃から化学に興味があり、ノーベル賞受賞者を輩出する学科で高レベルの教育を受けたかったから。

所属研究室選びの決め手は?

様々な研究室を見学した中で最も印象に残り、直感で「面白そう」と思った研究室に決めました。研究は成果が出ず大変な時期もありますが、それを乗り越えるために最も重要なのは自分の研究に対する情熱だと思っています。自分の興味と情熱は比例するので、自分の興味に沿った研究室を探すのが良いと思います。時間の許す限り1つでも多くの研究室を訪問してみることをお勧めします。

学部、大学院での研究

人工光合成の研究をしました。といっても生物的な研究ではなく、光触媒と呼ばれる無機材料を扱った研究です。光触媒に水中で太陽光を当てると水素と酸素が生成します。この反応が植物の光合成の一部であることから人工光合成と呼ばれます。水素は将来のクリーンエネルギーとして期待されていますが、合成法もクリーンな方法が求められます。人工光合成はクリーンな方法で水素を作る手法であり、環境・エネルギー分野の課題を解決するための研究分野です。

人工光合成にはまだ課題が多く、実用レベルの効率を実証できていません。課題であった光触媒の反応効率の向上のための研究をしていました。

京大工業化学科の魅力

基礎を非常に丁寧に指導している学科なので、化学分野の基礎知識は一通り習得することができます。良い研究者はすべからく基礎がしっかりしているので、工業化学科で教育を受けることで、研究者としての下地を作ることができると思います。

京大工業化学科の思い出は?

研究室対抗のソフトボール大会です。勝利へのこだわりが凄まじく、ソフトボールが苦手な私は応援専門になっていました。

就職の決め手

大学時代の研究内容がそのまま活かせることに加え、興味ある研究テーマが数多くあったことから就職を決めました。また、就職活動時に出会った社員の方々が、とても親身に相談に応じてくださったことも、会社の信頼感につながりました。

お仕事

入社当時は、大学時代に引き続き光触媒の開発をしました。現在は電池材料の開発に携わっています。

材料の可能性は無限に広がっています。新しい材料を世界で初めて発見し、その性能を調べてみると、今までの常識を覆すようなことがよく起こります。まだまだ材料を探索する余地は残されており、これからも技術は進化していくことを実感します。私は今、電池の研究をしているので、将来の電池のスタンダードになるような材料を作り出したいと思っています。

仕事に役立っている工業化学科での学び

化学の基礎知識が現在の仕事に役立っています。会社では研究テーマが変わることがよくありますが、基礎がしっかりしていると、新しい研究テーマを理解するスピードが格段に違います。会社で研究者として働くうえで、工業化学科で広く学んだ知識は自分の強みです。

また、研究発表のノウハウは指導教官である阿部教授に教わりました。資料作りや発表のコツを伝授いただき、学会発表も数多くさせていただいたことから、研究発表のスキルが大きく向上しました。会社でも良い評価をいただくことが多く、自分の強みの一つになっています。

後輩へのメッセージ

私が個人的に大事にしていることは、限界を自分で勝手に決めないことです。何に対しても「必ずできる」と思って取り組みます。結果はどうであれ、その過程で得たものは必ず自分の強みになります。学時代に優秀な仲間に刺激され、このような考えを持つようになりました。ぜひ、自分の考えの中心を知ってください。京都大学はそのための環境が整っています。

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